イチローが変えた、”日米通算記録”の概念

 

 

 

グッドイブニーング。まーしーです。

やっぱりイチローは偉大です。

 

◯これまでの日米通算記録の扱われ方

日本では、野茂英雄投手がMLBで2度のノーヒットノーランを達成した際、メディアはその快挙こそ大々的に報道したものの、同選手の日米通算記録については、ほぼノータッチでした。その後、イチローと松井秀喜がMLB挑戦をしてもなお、NPBでの記録が重視される風潮でしたので、当時は日米通算記録について、大した関心がありませんでした。

アメリカでは、日本人選手のNPB成績をあくまでも”参考記録”として捉える傾向が強いように思えます。これの根拠については後述します。

両国の共通点は、MLB移籍した日本人選手の成績を、NPBとMLBで分けて考えていたというところです。この風潮が、近年になって、徐々に変わってきました。

 

◯イチローの快挙

イチローと松井秀喜が徐々に活躍し始めてからも、しばらくはNPBとMLBで分けて考えられていた選手の成績ですが、その風潮に一石を投じる出来事が2013年に起きました。イチローが日米通算4000本安打を達成したのです。これはタイ・カッブとピート・ローズに続く3人目の快挙です。ここで、初めて大々的に”日米通算”という概念についての議論が起きたのです。日本では、日米通算記録を”史上3人目の快挙”として報道する一方、アメリカでは「日米通算記録はあくまでも参考記録にしかならない。NPBはマイナーリーグと同等レベルだ」といった論調が展開されました。両者の言い分の是非は別として、今までNPBとMLBで分けて考えられていた個人成績が、初めて公に”まとめて考えられ始めた”という意味でも、このイチローの快挙は価値あるものだったと言えます。

2016年6月、イチローの日米通算4000本安打達成で火が付いた日米通算記録に関する議論を、さらに白熱させる出来事が起きます。イチローが日米通算記録でピート・ローズの持つ4256安打を抜いたのです。この大記録から、日本での日米通算記録の扱われ方の変化が決定的になり、日米通算記録を大々的に報道するようになりました。最近ですと、青木選手の日米通算2000本安打などは記憶に新しいですね。

 

 

近年、有力選手のMLB移籍がより顕著となってくる中で、日本での日米通算記録に対する考え方の変化は当然の流れと言えるでしょう。イチローは大記録の達成と同時に、その”変化のトリガー”を引いたのです。

 

◯もう1つの快挙

さて、イチローがピート・ローズの記録を破った時、アメリカではどのような反応があったのでしょうか。これまでの経緯を考えると、やはり「日米通算記録は参考記録」とする風潮が強調されると思われましたが、この時点でのアメリカメディアの論調は、参考記録派と、「日米通算記録だろうが、事実は消せない」とする称賛派との半々に分かれていました。これは、これまでのアメリカの日米通算記録に対する論調を考えると、信じられない変化です。イチローの数々の記録とその人格は、アメリカの論調すらも変えてしまったわけです。

イチローについては、野球の技術が真っ先にイメージされると思いますが、その影響力や成し遂げた偉業の幅広さにも目を向けてみると、この人の偉大さがよく分かると思います。

古いものを投げ捨てろ!【サタデー便】