【働き者達】世界の製造業を支える産業用ロボット

 

 

 

ボンジュール。まーしーです。

僕が本業で設計・製造している産業用ロボットについて説明します。

 

◯産業用ロボットって何?

簡単に言えば、”工場で人間の代わりに働いてくれるロボット”です。製造業で作られるあらゆる製品に関して、以下のような仕事をほぼ24時間ぶっ通しで行ってくれます。

・切削加工

・溶接

・搬送

・組み付け

・洗浄

・測定

上に挙げたのはほんの一部で、プログラムとか制御回路に応用を効かせて、後はスペースさえあれば、まぁ人間の行っている大体の業務はカバーできなくもないです。ロボットの見た目については、行う仕事によって形状が変わるので、”これ!”っていうのが無いので、ここでは基本的な”搬送ロボット”の画像を載せておきます。

 

画像転載元

 

こちらは多関節型のロボットを搬送工程に導入したもので、製品をハンドで掴んで別の場所に移動させる仕事をしてくれます。ロボットは力持ちなので、人間だと2人掛かりで運ばなければいけないような重い製品も、軽々と運んでくれますし、動きが素早いので、こうした搬送工程をロボットが担うことで、時間的・人的コストが削減できます。

ちなみにこの多関節ロボット、ハンドの部分を溶接の芯棒や加工ドリルに変えれば、加工ロボットや溶接ロボットとしても働けます。レールを敷いて、ロボットの足元に移動装置を装備すれば、移動もできます(レールの長さで移動範囲は決められてしまいますが)。多関節ロボットは、こうした汎用性の高さも特徴的ですね。

 

 

◯産業用ロボットの弱点

汎用性が高く、人間よりも効率的且つ持続的に働ける産業用ロボットにも、弱点があります。

 

弱点1 「壊れる」

精密機械ですし、ロボットを構成する部品には消耗品もありますから、機械的な故障は付き物です。また、機械的な故障から過電流等といった電気系統がやられるケースもあります。また、新型ロボットであれば、仕様がまったく新しいので、制御回路やプログラムも100%はありえません。ですから、産業用ロボットには機械的・電気的・回路的な修理が行える保全マンが必須です。

 

弱点2 「決められた行動しかできない」

搬送ロボット例に取ると、搬送予定の製品をハンドで掴む際に、何らかの異常があって、製品を掴めなかったか、製品を落としてしまうと、”自分で製品を掴み直す”ということが出来ません。異常を出力して、ブザーを鳴らすことしかできないので、ロボットには、こうしたアクシデントを処理してくれる作業員が必要になります。

 

まぁ、こんな感じで、今のところ産業用ロボットには、最低限の人間の力がどうしても必要なんですよね。

 

 

◯ロボットに関する資格

ロボットは力持ちで素早いので、使い方を間違えると人に危害を加えてしまいます。こうした事故を防ぐため、ロボットには運転免許と保全免許があります。自動車の運転免許と整備士免許と同じですね。必要な技能と知識を持った人間しかロボットを操作したり修理したりしてはいけないわけです。

ここでは、それぞれの免許を少しだけ詳しく説明したいと思います。

 

・産業用ロボットの教示等の業務

ロボットの運転免許証です。コントローラーを使ってロボットを操作するためには、この免許を取得しなければなりません。ロボットをコントローラーで操作する目的は2つあります。

1つ目が、ロボットのプログラムを作成する目的です。ロボットは非常に賢いので、人間による手動操作で実際に行った動作を、自分でプログラミングして記憶することができます。これを”教示作業”と言います。後は、ロボットがプログラムとして記憶した動作を人間が制御回路を使って反復させるだけです。一応、ロボットのプログラムはデスク上で人間がパソコンを使ってでもできないことはありませんが、コントローラーを使ってロボットにプログラミングをさせた方が圧倒的に楽なので、こちらが主流です。

2つ目が、異常時の原点復帰です。ロボットは、何らかの異常で停止してしまうと、安全回路により、その場で動作を停止してしまいます。異常の原因を取り除き、ロボットに仕事を再開してもらおうにも、仕事を行うための動作プログラムのスタート条件は、”ロボットが所定の姿勢(原点)であること”とされていることがほとんどなので、中途半端な姿勢で停止している状態では、仕事を再開することができません。そのため、人間による手動操作で、ロボットを所定の姿勢にまで戻してあげる必要があるのです。

 

・産業用ロボットの検査等の業務

ロボットの点検や修理を行う際に必要な免許です。車で言う所の整備士免許みたいなものです。”点検”には、ロボットの定期点検の他に、ロボットを工場へ導入する際のリスクアセスメント(危険予知)も含まれます。リスクアセスメントというのは企業によって若干意味合いが異なるのですが、基本的には、「当該ロボットを工場へ導入する際に予想されるあらゆる危険を洗い出し、対策を考案・実施する業務」という認識で大丈夫だと思います。要は、ただメンテナンスを行うだけでなく、ロボットと一緒に作業を行う現場の人の安全管理を行うための免許でもあるということです。

 

どちらの免許も、講習→試験を受けることで取得できます。自動車の運転免許と同じサイズのカードが発行されますので、取得したら無くさないように保管しておきましょう。免許の講習と試験は、ロボットを取り扱っている企業で受けることができます。僕のオススメは石川県にあるKOMATSUですね。専用の教習センターがあって、建物も綺麗ですし、実技の時間を比較的多めに取ってくれるので、他社より技能が身に付くと思います。リスクアセスメントに関する講習もバッチリやってくれますよ。

 

 

片方の免許で2日は掛かるので、サラリーマンは有給を取得して受講しましょう。

古いものを投げ捨てろ!【サタデー便】